NACSIS-CAT/ILLは今後どうなっていくんだろう?

先日、大学図書館問題研究会 第46回全国大会(札幌)に参加してきました。
私が参加した分科会の一つがこれです。
第4分科会 情報組織化
テーマ: 「これから」のNACSIS-CAT/ILLと学術情報流通
http://www.daitoken.com/research/annual_conference/2015/section.html#s4

NACSIS-CAT/ILLは大学図書館の業務を考える上では切り離せない存在ですが、未だにきちんと理解できていません。
ですが、それは置いといてNACSIS-CAT/ILLについて感じてきたことなどを書いてみたいと思います。


私はNACSIS-CAT/ILLのシステムを使うというのは3つのステップとして理解しています。
1.書誌を作成する。(NACSIS-CATを使って共同分担で目録を作成する。)
2.所蔵を登録する。(各図書館の所蔵している資料を明確にする。OPACの様な役割)
3.相互貸借する。(所蔵情報を基に、NACSIS-ILLを使って貸借する。)

まずは1.書誌を作成する話。NACSIS-CATの素敵な所は、何と言ってもみんなで書誌を作ってシェアしあいましょうという所だと思います。
各図書館が個々に作成することに比べたら、本当に効率的な仕組みだと思います。
書誌調整もしっかりしており、きちんと規則に基づいたデータが整備されているのもいいです。
ただ規則や、書誌構造を理解するのが大変で、不慣れな担当者には辛いところです。
分かりにくい図書館用語など話題になることはあるが、「典拠コントロール」「バランスしない書誌」など理解に苦労する用語が多いと感じていました。
共同分担のはずなのに書誌作成をしていない図書館はいっぱいあるけれど、決してフリーライドしようと思っているわけではなく、難しくて手が出せないという点が多々あると思っています。
不完全なデータで書誌登録したりすると、他館から指摘が入るし、誤って登録したレコードの削除の仕方も分からなくてあせるし周りに迷惑かけるだけだからやめておこうという気持ちはよくわかります。
NACSIS-CATに書誌がない場合は、目録作成センターに資料を送りましょうみたいなフローがあると、不慣れな方も協力しやすいのかなと思います。

NACSIS-CATの仕組みは素敵ですが、近年NDLも書誌情報の提供サービスを始めたし、民間企業の作成するMARCもあるので、業界全体で考えるともっと効率化の余地はあるのかなと思います。
またNACSIS-CATのデータを使いつつも、各図書館が使っているシステムデータには目次情報や検索用のキーワードを付与している様なので、この辺りも共有できていくともっと便利だなと思います。
すでに日外アソシエーツのBOOKデータASPサービスといったプラスαのデータを提供している民間サービスがあるので調整は必要だと思いますが。


続いて所蔵を登録する話。
所蔵登録することで互いにどの資料を持っているか把握することができる様になるのですが、今やほとんどの大学図書館はOPAC公開しているので二度手間だなという感じはしています。
カーリルのように各図書館のOPACを横断検索すれば、所蔵情報の確認は事足りてしまうのではないかという気もします。
まぁ現状のOPACの応答速度なんかを考えると、全国の大学図書館OPACの横断検索の仕組みを作っても業務にまともに使えるシステムにはならなそうですが。


最後に相互貸借する話。二度手間だと思いつつも所蔵登録をしておくとことで、互いに相互貸借することができます。
FAXなり電話なりでもILL業務はできますが、NACSIS-ILLのシステムを通すことで依頼/受付の件数の把握とか、料金相殺ができるとかメリットは大きいです。
ただ図書館の貸出と言えばバーコードでピッピッとする簡単イメージなのに、NACSIS-ILLで図書館同士の貸借となると全然直感的でない状態遷移図に沿って進めなきゃいけないのには一苦労です。
CATの難しさは情報管理の上で必要なことと理解できるが、ILLシステムの分かりづらさはいまひとつ許容できないでいます。

一般的なILLシステムの操作の流れとして書誌を検索→所蔵館の確認→貸出依頼という流れだと思います。
実際のところNACSIS-CATに書誌がなかろうが、所蔵登録してない館だろうかNACSIS-ILLのシステムを通じて依頼がだせるので、CATとILLは密接に見えて切り離しができるのかなと思うこともあります。
制約が少ない方が、システム設計は柔軟にできますし。書誌所蔵の縛りがなくなると、例えば専門図書館との連携と言った方向性も考えられるかもしれません。


とくに、まとめらしい事もないのですが、やはり今後どうなっていくのか気になります。
多くの図書館が恩恵を受けられる仕組みであって欲しいですし、何よりその先の利用者に恩恵が波及していく仕組みになってほしいですね。
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at 22:57, なぐもん, つれづれ

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CiNiiで続けて検索したい

調べようと思っている単語リストが手元にあるのに、一個ずつ検索窓にコピペしたことはないだろうか?

リストが多い時は、はエクセルでベースのURLと検索ワードを連結させて、それをハイパーリンクにするという事をしてました。
ブラウザとエクセルを並べてぽちぽちする感じです。

この方法も便利なんですが、やっぱり下準備がちょっと手間です。
ブラウザによっては、日本語のキーワードだと検索できなかったりするし。


そんなわけで、登録したキーワードをクリックして検索するサイトを作りました。
CiNii連続検索
http://nagumonn.com/CiNiiContinueSerch.html




キーワードの入力欄は、エクセルで選択したセルやCSVをコピペ入力できるようになっています。
(テキストエリアからフォーカスが外れたタイミングで整形されます。)



検索先は「Articles」「Books」「Dissertations」に対応しました。
おまけとして、登録したキーワードをまとめて「OR」「AND」検索ボタンと、
テキストファイルを取り込んでキーワードを入力できるようになっています。


ほとんど自分の都合に合わせて作ったものですが、気が向いたら使ってみてください。
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at 23:52, なぐもん, ICT

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「大学図書館員のための「Web API入門」参加しました。

大図研オープンカレッジ (DOC)「大学図書館員のための「Web API入門」参加してきました。
http://d.hatena.ne.jp/dtk-doc/20150408/1428464462

歴史から事例までいろいろ勉強になりした。

当日の発表資料公開してくれています。
WebAPI入門|高久雅生(筑波大学図書館情報メディア系)
http://www.slideshare.net/tmasao/web-api-49080729

「斬新さ」より「柔軟さ」でみるWeb API|常川真央(アジア経済研究所)
http://www.slideshare.net/tsunekawamao/web-api-49369769

まとめサイト
第23回大図研オープンカレッジ「大学図書館員のためのWeb API入門」#dtk_doc
http://togetter.com/li/831992

せっかく講演を聞いたので、手を動かしてみようと思いCiNiiで複数のキーワードをまとめて検索するページを作ってみました。
というのも、先日企業図書館の事例を調べようと思って、専図協の会員機関に掲載されている企業図書館名で手当たり次第検索するという事をしていたのですがめんどうでめんどうで。
そんなわけで、検索したいキーワードリストを書いたテキストファイル(CSV/TSV形式)を読み込んで、まとめて検索する仕組みを作りました。

ニッチな要望を自由に叶えられるWebAPIはやっぱり便利ですね。

CiNii連続検索
http://nagumonn.com/CiNiiContinueSerch.html
 
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at 19:31, なぐもん, イベント

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図書館員は巷の読書会についてどう考えているんだろう?

先日、読書会の運営者とお茶会をする機会がありました。
ここでいう読書会というのは、まとめサイトに挙がっている様なコミュニティです。
雑誌などで時々特集されている朝活とかそういうやつです。
ゆったりしたものからガツガツしたものまで雰囲気はコミュニティによって全然違うと思いますが、ほとんど参加したことないので実態はよく分かりません。

・読書会まとめ@東京
http://matome.naver.jp/odai/2141472029976214901

こういった巷の読書会を図書館の人たちはどう思っているんだろうというのが気になったところです。
「読書会 図書館」でgoogle検索したら結構Hitしたので、まずは図書館の活動について調べてみました。

お世話になっていた調布図書館でも、一冊の本を読み、互いの読後感や意見を学び合うという形式で定例開催しています。
ただ、平日昼間の開催なので社会人は参加しづらいです。
他の図書館も読書会を開いていますが、時間帯はまちまちです。どこの層をターゲットに設定しているのだろうか。

・読書会-読書推進事業│調布市立図書館
https://www.lib.city.chofu.tokyo.jp/dokusin/dokusin_dokusyo.html


学校図書館も読書会には熱心な様で、全国学校図書館協議会では読書会コーディネータ養成講習会が開催されています。
また、朝日新聞と一緒に「どくしょ甲子園」という読書会コンクールも主催しています。
読書会で議論した内容を、一枚のボードにまとめるという物ですが、サイトに掲載されている優秀作品のレベルの高さにびっくりします。

・全国学校図書館協議会|セミナー・研究会|2014年度 読書会コーディネータ養成講習会のご案内
http://www.j-sla.or.jp/seminar/dokusyokaicoordinator.html
・朝日新聞社インフォメーション | どくしょ応援団 -どくしょ甲子園
http://www.asahi.com/shimbun/dokusho/koshien/


読書会では、持ち寄った本を紹介しあうというスタイルもポピュラーな様です。
形式に則れば、そのまんまビブリオバトルですね。
東京都立図書館にもビブリオバトルの解説ページありますし、図書館業界ではすっかり市民権を得ている感じがします。
学校でも大学でも色々イベントが開かれています。

・東京都立図書館_ビブリオバトル
http://www.library.metro.tokyo.jp/home/news/tabid/3700/Default.aspx
・CA1830 - 新しい本の楽しみ方「ビブリオバトル」の多方面への展開動向 / 吉野英知 | カレントアウェアネス・ポータル
http://current.ndl.go.jp/ca1830


利用者向けのイベントではないですが、研修の一環としてTRC東京文化祭で読書会が開かれたようです。
テーマの本についてフリースペースで思いゆくまで語りあう形式の様です。
「おすすめのYA本!」なんてテーマで話し合うのが、いかにも図書館員っぽいです。

・株式会社図書館流通センター(TRC)| スタッフのキャリアアップイメージ (採用情報)
http://www.trc.co.jp/test/recruit/index.html


ここ数年、図書館総合展で巨大なブースで目立っているのは帝京大学メディアライブラリーセンター企画の共読ライブラリー。
読解力、理解力等の学習基礎力向上とアカデミックスキルの獲得のための「読書術コースウェア」なんてのもやっている様です。

・共読ライブラリー
https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/tos-kyodoku.html


という感じで、図書館業界でも色々なスタイルで読書会を開催している事例はたくさん見つかります。
しかしながらが、巷の読書会との接点はあんまり見つけられなかったです。

まずは、墨田区ひきふね図書館の事例。
まとめサイトにも載っているソーシャルリーディング・コミュニティ「Read For Action」ともコラボして、読書会を企画している様です。
読書会の企画は「墨田区ひきふね図書館パートナーズ」というボランティア団体が中心で行っているようですが。

・墨田区ひきふね図書館パートナーズ
http://hikifunetoshokanpartners.jimdo.com/
・ひきふね図書館コラボ!ビジネスマンのための教養講座『積ん読解消!読書会』
http://www.read4action.com/rfainfo_detail.php?rfaid=649

もう一つは三条市立図書館の読書会。
読書会の運営者を集い、図書館内での催し。現在23の読書会が参加している様です。
施設提供だけなら、他の図書館もやってると思いますが、図書館としてどの程度関わっているかですかね。

・三条市立図書館 読書会
http://www.city.sanjo.niigata.jp/library/dokusyokai/index.html


図書館員が個人として巷の読書会に参加したという報告なども探したけれど見つけられませんでした。
以前に、読書会主催のビブリオバトルの様なイベントに参加した際に、図書館員と名刺交換したので参加されている方がいるのは確かですが。
逆のパターンで、図書館イベントに読書会の運営者が参加した事例は見つかりました。

・千代田区立日比谷図書文化館で開催された「東京図書館制覇!竹内庸子さんとこれからの図書館の使い方を考える〜利用者による自発的な参加〜(「新しい図書館学」第2 回)」のfacebookコメント
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=360123450725359&id=213313818739657
・参加レポートvol.8『図書館を愛してやまない人飲み会(ソフトドリンク有り)』 | ええやん朝活
http://eeyanasakatsu.com/post-206/


色々なサイトを見てみた結果として、予算規模の違いによるものを除けば図書館と巷の読書会のイベントは似たようなことをやっているという印象です。
では運営上手、集客上手はどっちか言われるとちょっと難しいです。
社会的な信用度からみれば図書館イベントに人が集まりそうですが、巷の読書会の中には集客がうまくいって法人化したり、大学の公開講座任されたりしているところもあるようです。
適切な例えかは分かりませんが、かつて大手銀行と消費者金融がこぞって手を結んだように、互いに情報交換したり連携したりすることで、社会的信用、マーケット、運営手法と色んなところでシナジー効果が生まれるかなと思います。

まぁでも、冒頭で言った通り、読書会の事は良くわからないのでちょっと色々覗いて見て改めて考えようかなと思います。
朝7時開始の朝活とかはしんどいので、ゆるめのやつからで。
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at 21:59, なぐもん, つれづれ

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図書館システムダメ出しがもっと盛り上がればいいのに

近況報告ですが、組織改編の名のもとに図書館回り専門の部隊に配属されました。
年間に100箇所くらいの図書館・図書室を回る事になるようです。
「#図書館システムダメ出し」が盛り上がっていましたが、訪問先でダメ出しを集めるのも仕事です。


「とても簡単そうなシステム改善が簡単に直らない」というのは、ほんとその通り。
実際のところ、挙がってくるダメ出しに対応できる開発リソースが足りず、図書館システムにかけてもらえる予算が小さいのでエンジニアの数を増やせないというのが各ベンダーの状況だと思います。なのでダメ出しが積もり続けるというのが現状だと思います。
市場が大きくなれば解消されていきますが、そんな気配はなく一朝一夕にはいかないでしょう。

と言ってもやっぱりダメ出しは大切で、図書館の現場の状況を色々気づかせてくれます。
「10分休みで50人捌くには1クリックの時間すらおしい。ショートカットキーの実装を。」
「貸出時は絶対に片手はバーコードリーダーを握ってるわけだから、自由になる左手(指1本)で全てをしたい。」
こういうのは、机上で議論してても分からない典型ですね。
情報共有することで、少しでもシステムのちくはぐな所が減るといいですね。

もうひとつ。図書館システムを直そうと思った時に、さてどこから手を付けようかという判断材料としてもダメ出しは参考になります。どの業界でも同じだと思いますが、マーケティングの一環としてユーザーの声を集めて分析し、限られたリソースで何を実現するかを考えますよね。
#図書館システムダメ出しが継続的にたくさんつぶやかれていくと、統計的に意義ある情報になっていくんじゃないかなと思ってます。幸いにも、図書館業界は情報(データ)の扱いが上手な人が集まってますから、面白がって分析してくれる人が結構いるんじゃないかと期待してます。

ちょっと残念なのが、ハッシュタグがダメ出しとなっているからか、遠慮や気遣いで発言しにくい雰囲気が出てることです。
ダメ出しとせず、#図書館システム だったら良いも悪いも含めてもっと色々情報共有できるのかな。
 
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at 23:21, なぐもん, つれづれ

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